投稿者:technogreen | カテゴリ:一戸建て庭ウッドデッキ, 腐朽ウッドデッキの取り換え工事 | 投稿日:2012年11月15日
タグ: ウッドデッキ修理, シロアリ, 腐ったウッドデッキ, 葛飾区
お電話で。
「傷んだウッドデッキちょっと見てもらえますか?又、交換や修理はお願いできますか?」
ということで、東京都葛飾区のお客様のところへ。
お伺いしてお話を聞きますと、家を新築されたときに大工さんに作ってもらった物で、10年ちょっと経つとの事でした。最近、奥様が床板を一枚踏み抜いたので、危険かも?と言う事でのご依頼。
それでは調査時の写真から。
クロスフェンスのウッドデッキ。一見すると大丈夫そうです。
床板でよく見られる針葉樹の節廻りの割れからくる腐れ。針葉樹で節が多い材では、ほとんどこのパターンが見られます。特に床板は。
どうしても節とその周辺とでは乾燥収縮の度合いが違うので、割れが大きくなり内部へ水が滲み込み易くなるからでしょう。今回も防腐剤注入木材を使用していましたが、中までの注入は難しいので内部腐れが起こっていました。
防腐剤注入木材は、この現象が一番危険です。表面は防腐剤が効いているので腐っていません。内部から腐ってくるので大丈夫そうなので、ついつい乗ってしまい踏み抜いてしまいます。
フェンスのデザインで一番シンプルに見えますクロスフェンスが、実は木材同士の取り付けを間違えると一番腐りやすいデザインです。昔流行ったデザインのせいか、当社で腐朽診断を行って腐ったり、シロアリにやられていた半分以上がこのクロスフェンスです。
床板でこの腐れ現象が数枚で起きているということは?・・・・・構造部分は相当やられてると想像できます。ましてクロスフェンスで、この水が溜まる組み方をしていると・・・・・・。シロアリもけっこうきてそうです。
これからの写真は注文をいただいた後の解体中の写真です。解体して調査した訳ではありません。念の為に。
解体していると出てくるのはナント黒蟻。シロアリの姿かたちは見えません。初めにシロアリが食害し、それを食べるという黒蟻の王国に変わっていたのかもしれません。食害痕は間違いなくシロアリのものですので。
腐朽・シロアリ・黒蟻の三重攻撃で、このウッドデッキほぼ壊滅状態となっていました。フェンス支柱を建てるにあたり、写真に見える欠込み加工して組んだのが致命的だったように思います。・・・・・大工さんがやりがちです。
この部分もクロスフェンス支柱と根太が仕口加工で繋がっていたところです。欠込んだ切断口から支柱と根太に雨水が廻り、シロアリを呼び込んだと思われます。
写真のように内部は空洞になり、外周は残っています。たぶん、この残った部分は薬剤が充分注入されたところで、内部は薬剤が入りきらなかったところと思われます。
このように薬剤が充分注入された部分は、腐朽にもシロアリにも効果はあります。従って使用する木材の選定、工場での注入管理と現場での加工・施工を十分な知識と技を持って使用すると防腐木材も捨てたもんじゃないと思うんですが・・・・これが又、難しいんですよね。特に現場での施工管理が・・・・
これだけ食害されてしまうと元の形や何だったのか判りませんね。束でした。やはり欠込みをして根太を取り付けていたのですが・・・・。こうなると残存強度は0です。これらの状況からしますと数年前から腐朽・シロアリ被害で危ない状態だったと思います。たまたま今年、床板を踏み割るまでもっていただけで。
冒頭、説明したように防腐剤注入木材は薬剤効果がある表面は腐っていないので、一見大丈夫に見えますが、構造材が腐っているか、シロアリにやられていないかをたまにチェックする必要があります。・・・・・なかなか素人の方には判断が難しいですが・・・・。
今回も解体前に、使用されている木材の種類、材寸法、構造、木組み方法でおよそこのくらいの腐朽・シロアリ被害は予測していました。お客様は予想以上でビックリしたかもしれませんが。
ちょっと家のウッドデッキも!と気になる方は、お問合わせフォームから。または、お電話(04-7171-2181)で。
ここまでシロアリにやられ、腐ったウッドデッキは床板交換・修理は不可能な事をお客様にも理解していただき解体しました。新たに施工完了しましたウッドデッキの紹介は次回で。