投稿者:technogreen | カテゴリ:ウッドデッキ用木材について, ルーフバルコニーウッドデッキ, 最近の施工事例 | 投稿日:2015年3月11日
タグ: すき間, イタウバ, イペ, ウッドデッキ, ウリン, マサランドゥーバ, マンション, ルーフバルコニー, 品川区
今回の紹介は久々のイタウバのルーフバルコニーへのウッドデッキです。
昨年秋に、リフォーム会社から「これから竣工する新築マンションのルーフバルコニーにウッドデッキを考えているお客様がいます。」
と、ご連絡をいただき間取り図面から見積もりをしていました。
ルーフバルコニーウッドデッキ以外にもいろいろとリフォーム箇所もあるようで、総予算の中で何とかウッドデッキも!
ご予算内で提案させていただいたのがイタウバのウッドデッキ。
イタウバはハードウッドの中では、もっとも安い部類に入る木材です。
ただ、このブログでも何度も書いていますように、湿潤時の膨張の為、すき間を作って施工しなければなりません。
リフォーム会社からお客様にその点を説明をしていただき、了承のもとに施工となりました。
それでは、採寸時の写真から。
奥行きが狭い部分です。向こうに写っていますのはリフォーム会社の方。
こちらは、奥行きが広い場所。
広くなっている部分ですが、一部欠けた形状になっています。これを含めて出幅違いが3ケ所となっています。クランク形状ですね。
それでは、施工後の写真を。
丁度、追加のエアコン工事が入っていましたので、元からあった室外機の方もホースを少々ルーズにしてもらい、ウッドデッキの上に設置できました。こちらの方が、ず~っと見た目が綺麗ですね。
小さい丸が左に見えるのは、ここにライト取り付ける為の穴です。・・・・今回これはリフォーム会社さんが。
上2枚の写真の写す角度では、あまりすき間は目立ちませんが・・・・・・
拡大すると見える斑点はイタウバがもっている油分が染み出たものです。その内、退色してくると目立たなくなりますが、これも欠点のひとつかな~。
もう少し拡大すると・・・・・
これで、4mmの目地すき間です。
イタウバの湿潤時膨張率からすると、4~5mmが必要となります。
他のハードウッドでも3~5mmのすき間、木粉入り樹脂製人工木材は5mmが基準です。人工木材は湿潤時ではなく温度による膨張ですが。
イペのすき間無し施工の写真と比較しますと。
すき間無し施工をしますと、室内フローリングと同じような感じになります。
それ以上に”下にゴミが落ちにくい”という機能性で選ばれる方が多いようですが。
今回のイタウバ製ルーフバルコニーのウッドデッキの紹介はこれで終了ですが、最近ウッドデッキ用木材に対して価格の違いや耐久性へのご質問が多いので、こちらの説明を。
木材価格
イペ>ウリン>マサランドゥーバとクマル>イタウバ>セランガンバツの順となります。
但し、木材価格は常に変動していますので、あくまで最近の価格です。
耐久性
イペ>ウリン>マサランドゥーバ=クマル=イタウバ>セランガンバツの順となります。
これは全く価格順となります。(当社での腐朽試験結果と今まで20年間施工してきた経験からの当社見解)
強度(主に曲げ強度とヤング係数)
マサランドゥーバ=イペ=クマル=ウリン>セランガンバツ>イタウバ(他材より30%落ちる)
このようにイタウバだけが、極端に強度が落ちますので、構造部分に仕様する時は大きな断面の材を使うか、束の間隔を狭くするしかありません。つまり、コストダウンになるどころか逆にコストアップにつながる可能性もあります。
今回も材を替えて構造計算のシュミレーションをした結果、イタウバ使用よりマサランドゥーバ使用の方が安く提供できるので、根太材はマサランとしています。
これ以外にも木材の特性としては、経年変化による材の暴れ方もそれぞれ違いますので、使用部位を考慮して決定する必要があります。
事ほど左様に、材の選定も簡単ではありません。特に「安く作って!」と言われたときには・・・・・無い知恵を絞って考えてはいるんですが。
と、愚痴ったところで次回のご案内。
マンションベランダのウッドデッキです。・・・・・あんまり悩まないで設計できるイペ製です。