人工木の駐車場上デッキを解体して~横浜市~解体編

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投稿者:technogreen | カテゴリ:最近の施工事例, 腐朽ウッドデッキの取り換え工事, 駐車場上ウッドデッキ | 投稿日:2015年1月19日

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横浜市のお客様から「今ある駐車場上のウッドデッキが腐ってきているので、一度見てもらえませんか?」と、
お電話をいただいて、調査へ。

 

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駐車場の上にあるウッドデッキですが、家の敷地自体が高くなっていますので1階から出入りするタイプです。
10年ちょっと前に作られたそうです。よくありがちな遠目から見ると問題は無し。・・・・・のようですが。

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内部を見ますと、梁はボロボロで形をなしていません。防腐剤を注入した木材のようですが、相当前から腐ってたと思われます。防腐注入木材は内部から腐る傾向にあります。

 

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登って床板をみると、なんと庭部分も駐車場の上の部分も人工木材。
ビスは抜けるわ、波打っているわで大変な事になっていました。

4年前に床板が腐ってきたので外構工事屋さんに依頼したら、この人工木材で改修工事をされたようです。
それが昨年の大雪でこんな状態に。。。。。。

「今年の大雪が降る前に全面的に作り直しを」と、ご希望のお客様。
確かにこのままで昨年のような大雪が積もれば、全体が崩壊しかねない状況です。

せっかく作り直すのであればという事で、「お客様の使い勝手の良い機能も盛り込んだウッドデッキにしましょう」とご希望をお聞きして設計へ。

 

へたれた人工木材の床板

へたれた人工木材の床板

歪んだ人工木材の根太

歪んだ人工木材の根太

 

 

長期荷重による”へたれ”、クリープ(クリープといってもコーヒーに入れる”あれ”ではありません)現象が起こっていました。

人工木材のメーカーもたくさんあり、この商品がどこのメーカーなのかわかりません。
またどこのメーカーも技術資料でクリープに関するデータは公表していないんじゃないかと思います。というか、クリープについて考慮していない?
従って、設計するにあたり根太や梁の間隔を計算する事ができません。庭用の規格サイズで作るのは問題ないのですが、下に大きな空間が必要な駐車場上へのウッドデッキは柱をポンポンと建てる訳にはいかないし。

たぶん、これを施工した業者も深く考える事もなく庭用のウッドデッキと同じ感覚で作っちゃったんでしょうかね?

実はこのクリープ、人工木ほどではないですが天然木でも起こります。
庭用の束をたくさん建てれるウッドデッキと違い、駐車場上や2階建てウッドデッキは柱数に制限がある為、梁や根太の間隔を狭くしたり、断面を大きくすることにより、このクリープが起きないように設計します。
たまに、これを考慮していないような天然木のハイデッキも見かけますが・・・・・・

 

調査時の最後に発見した手摺柱(ポスト材)の取り付け。

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手摺支柱をLアングルで留めています。
このLアングルやポスト金物を使用する方法は簡単で施工コストも非常に安く上がるんですが、ウッドデッキの専門施工会社はけっしてやりません。構造部分と強固に締結します。
ウッドデッキ専門施工会社と、そうではない会社との違いを見分けるひとつかも。
大手人工木材メーカーのほとんどが、この取り付け仕様になっていますが、きちんと「本製品は、防護柵や手すりの機能はありません。転落など重大な事故が起きるおそれのある場所には設置しないでください。」とカタログに明記されています。
また同じく「人工木デッキは戸建住宅の一階相当部施工用品です。それ以外の場所へは取り付けしないでください」とも書かれています。

う~ん。大手のメーカーさんは、しっかりしている。判ってるんですネ。

この部分を読まずに施工したんでしょうか?案の定ここの手摺もグラグラで寄りかかるには危険な状態でした。

調査から、今回は材料の問題というより施工会社の施工能力の問題かな?という結論でした。

長くなりましたので、天然木材イペでの施工完了の紹介は次回で。

駐車場上のウッドデッキが腐って危険な状態に~東久留米市~完工編

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投稿者:technogreen | カテゴリ:最近の施工事例, 腐朽ウッドデッキの取り換え工事, 駐車場上ウッドデッキ | 投稿日:2014年7月25日

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前回の続きで東久留米市の駐車場上ウッドデッキが完成しました。
使用木材は10年保証をご希望でしたので、全てイペ。

今回の解体は、あの単管パイプでようやく支えていたぐらいでしたから、職人の話では相当気を遣っての作業したのですが、梁の仕口部分は崩れ落ちたそうです。
それに柱と土台のホゾも内部はズブズブ。

元々基礎もありましたが、土台方式の為のサイズなので撤去して新たに打設。その写真から。

 

基礎と柱用金物画像

基礎と柱用金物

 

ウッドデッキ上部の大きさはは全く同じですが、基礎・柱・構造は変えています。特に柱はオリジナルの柱金物を使用しています。これで腐朽耐性は全く違ってきます。
柱を建てるコストは土台方式の数倍になってしまいますが、ここが腐れば元も子もありませんので、「こういう所でコストダウンするのも、どうかな?」と、私は思ってますが。。。。。

基礎も既製品ではなく、現場打設なので梅雨の時期は工程も遅れがちで、お客様にはご迷惑をお掛けしてしまったのですが。。。。

 

避難口?

避難口?

 

避難口では、ありません。
今年の大雪を体験されたお客様は、高いフェンス越しに積もった雪を下に降ろすのに苦労されたらしく、雪降ろし用の蓋をご希望。ナ・ル・ホ・ド。・・・・・・・私なら避難ハシゴを付けといて連れ合いと喧嘩になった時の逃げ出し口にしますけど。

それと、右側の手摺支柱の途中にありますのは、棚。
これもお客様の御希望で、ちょっとした物を載せるには便利だそうです。いいアイデアかも。

 

 

 

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同じ立板フェンスなのですが、ちょっと変えています。
デッキ床からは2m高さで同じなのですが、幕板を兼用した下部は数十センチ長くしています。

一番長い所で3m強の板材を使用。この高さに貼る為いつもより高い足場を設置しての作業となりました。

その足場の写真がコレ。

 

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「ノボル、相変わらず高い所が好きだねぇ~」
「元、トビだし名前が昇なもんで~」
「それで、足場を組むのが得意なんだ。えっ、違うって?」(横から他の職人がボソボソ)・・・・・何と言ってたかは、ご想像にお任せします。

 

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目隠しフェンス

 

こちらは隣家との目隠しフェンス。自転車置き場になりますので、なるべく控え柱控えて・・・・・・と、いう事で、こちらも既製品の基礎ブロックではなく現場打設の基礎としています。

終わりに、今回も感じた事ですが、駐車場上のウッドデッキや二階建てのウッドバルコニーのように3m以上もの高さになるのは、安全性の事を考えると、使う木材もさることながら基礎や柱の建て方、梁の組み方が重要となります。床板が腐るくらいは簡単に交換すればいいだけですが。
腐ったウッドデッキをみて初めて気づくお客様が多いのが実情です。残念ながら。・・・・・・近いうちに同じようなハイデッキ、崖地での腐ったウッドデッキを紹介させていただきます。

 

駐車場上のウッドデッキが腐って危険な状態に~東久留米市~調査編

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投稿者:technogreen | カテゴリ:最近の施工事例, 腐朽ウッドデッキの取り換え工事, 駐車場上ウッドデッキ | 投稿日:2014年7月21日

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東京都東久留米市のお客様から「既存の駐車場上のウッドデッキが腐ってきました、建て直しをしたいので見積もりを」とサイズをご連絡いただきました。

 

概算見積もり後、ご予算に合うとの事で調査へ。

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珍しい立板フェンスで高さも高いところで床から2m位あります。

 

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床板は腐ってきてから、何枚かはご自分で張り替えてきたようですが・・・・・

 

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柱は家を建てるのと同じ土台にホゾを刻んで柱を建ていますが、これが・・・・・・。
いつも書いていますように雨が掛からない「家」の柱なら問題ないのですが、ここに水が入り込み内部腐れを起こしていました。やっぱり家を建てた大工さんによる施工のようです。

 

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こちらは梁と根太を仕口加工ですが、ほぼ完全に腐っていて今にも崩れ落ちそうです。お客様は建築関連のお仕事だそうで、その危険性に気づき足場用の単管パイプで支えていました。
これがなければ確実に崩壊していたと思われます。

腐ったウッドデッキを調査してると、必ず見られる継ぎ手部分の仕口加工での腐朽です。案の定、雨仕舞されていないウッドデッキでは絶対に使っちゃならない仕口が使われていました。

既存のウッドデッキと同じ大きさ、同じフェンスデザインをご希望でしたので、建て直しにあたり少々の追加アイテムを打ち合わせ。

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隣家との境界にある自転車置き場に目隠しフェンスを、一緒に施工ご依頼を受けてこちらも採寸。自転車が置きにくくならないように、控えは無しで。

 

さてこの後、解体・撤去、基礎工事、ウッドデッキ本体工事、目隠しフェンス工事の工程ですが、梅雨の時期は思うままには進みません。完工しました写真は次回で。