前回は「ハードウッド」と「ソフトウッド」の呼称という余談で終わってしまいましたので、今回は元の本題「松戸市の隣家との目隠しウッドフェンスとウッドデッキ」に戻りまして施工完了の紹介とさせていただきます。
さっそく施工後の写真から。
最後の床板仕上げ中
高さ1.5mの目隠しウッドフェンスとデッキ
ウッドフェンスの高さは床から1.5m、板のすき間は5mmにで施工。ここまですれば完璧な目隠しとなります。
目隠しに十分なすき間
デッキより飛び出したウッドフェンス
ウッドデッキ端部より約1.6m飛び出してウッドフェンスを張っています。これで隣家の窓全てから目隠しとなりました。
今回のウッドフェンスは高さは地面から2m、延長は7mです。これを独立したウッドフェンスのみで施工しますと転倒防止の為、控え柱が数カ所必要となります。でもウッドデッキと一体化して建てれば、ウッドデッキ本体が控えの役目をしてくれて不要となります。ただし、フェンス用の支柱はウッドデッキと剛接合してフェンス全体に掛かる風荷重を分散するように設計・施工しなければなりませんが。
打ち合わせにお伺いしました時には、まだビニールプールが駐車場の上へ出されていた。今年のシーズンには間に合いませんでしたが、来年のシーズンにはこのウッドデッキ上で思う存分にお子様がプール遊びができる事でしょう!
施工完了後のアンケートでお客様から
「施工も1日で完了し、手際も良く職人皆さん感じの良い方達で良かったです。保証期間も10年間と長めなので、すごく安心しています。ただ金額がサイプレスくらいもう少し安いともっと良かったです・・・・・・」
今回も工場でほとんど製作、仮組みを行ったのを現場組立しましたので、1日で完了できました。現場施工日数を減らすことで少しでもお客様への負担が軽くなればと考えています。
価格はさすがにサイプレス並には・・・・・。それでも木材の㎥あたりの価格は3割以上サイプレスは安いですが、他に使用する副資材(ビスや金物)、施工費用はどちらも同じように掛かりますので、材工共の価格では1割くらいの差となります。
えっ?3割以上が1割?とビックリされるかもしれませんが、実はサイプレスのような針葉樹は木材強度(曲げ強さ・せん断・弾性係数等)をイペのようなハードウッドと比べると、50~70%くらいしかありません。
つまり同じ耐荷重を有するウッドデッキを設計にするにあたり、使用する木材断面を小さくしたり、根太・大引・束間隔を大きくする事により数量を減らす事が可能です。つまり使用する㎥数が減るのです。もちろんしっかりと構造計算をした上での話ですが。
あとは、この価格差とお客様がどんな木材が好みかで決めればよろしいかと・・・・・。あっ、それと10年保証があるかどうかも大事か!
この辺の詳細につきましては、こちらの資料請求からどうぞ。
隣家との目隠しフェンス。当社へお問い合わせいただく中でも、この目隠しフェンスに関する事がけっこう多いですので紹介させていただきます。
今回のお客様もリビングが、庭と境界ブロックを挟んで隣家の勝手口、お風呂窓、台所窓等が、ずら~っと並ぶ配置となっている面に接している状況でした。
この庭にただウッドデッキを作っても、何か落ち着かない!目隠しをしたい・・・・・他のお客様もだいたい同じパーターンのご相談です。
それでは、打ち合わせ・調査時の写真から。
車の後方が庭です
車の後ろ側が庭となっています。向かって左がお客様の家、右側が庭に接している隣家となります。
入り口側から見た庭
ウッドデッキの出幅は境界ブロックまで、横幅は設置してある物置までがご希望です。そしてウッドデッキの高さは「室内との段差ができるだけ小さくしたい!」とのことで、窓枠下端の仕上げとします。
奥側から見た庭と駐車場
入り口の方は家の端部までウッドデッキとし、ウッドフェンスは実際リビングに立っていただき隣家の窓からの視線が気にならなくなる範囲までを目処として長さを決定。
採寸も仕上がり形状・デザインの打ち合わせも終了して、お客様からは使用する木材はハードウッドのイペにて見積りをご要望。
以前にオーストリア・サイプレスにて見積りしていただいてたそうですが、2つサンプルを見比べてイペ材に決定されたようです。価格は若干、高くなってしまいますが・・・・・。
当社でもサイプレスで施工しますとイペより10%以上安くできますが、10年保証はできません。あらかじめ「10年保証無し」を説明させていただき、ご了承いただいた場合にのみサイプレスでの施工をさせていただいています。
それにしても、まだオーストラリア・サイプレスを「ハードウッド」と称して販売している会社があるんですね。その情報を信じていた方が、ホントの事を知るとビックリし、またその会社に対し不信感を抱くようです。・・・・・ウッドデッキ業界?全体の信用を落としそうで、それが怖いです・・・・・
木材の分類呼称ではハードウッド=広葉樹です。サイプレス(ヒノキ)はジャパニーズ・サイプレス(とは一般的には言いませんが、国産ヒノキです)もオーストラリア・サイプレス(豪州ヒノキ)も同じヒノキ科でソフトウッド=針葉樹です。
よくサイプレスを「ハードウッドの中では硬くないほうで加工し易い」という表現が使われていますが、「ソフトウッドの中では硬いほうの木」と言うのが正しいんじゃないかと思ったりもします。
ちなみにハードウッド(広葉樹)=硬木というわけでもありませんので、なおさら話が難しくなっって迷っちゃう訳ですよね。特に私のように横文字が苦手という人には。
今回も横道ヘそれた上、迷い道までいってしまいました。・・・・行数も時間もなくなりましたので、本題の続きは次回で。
投稿者:technogreen | カテゴリ:腐朽ウッドデッキの取り換え工事 | 投稿日:2010年12月22日
先日は、「ウッドデッキとサンルーム」で4回にわたり、新設のウッドデッキとその上へサンルーム施工例をブログで紹介させていただきましたが、今回は千葉県市川市T様邸のおよそ十数年前にサンルーム廻りを施工したウッドデッキの取り換え工事の紹介です。
もちろん、前の工事は当社が施工したものではありません!
お客様のお話ですと、数年に一度、塗装をし続けていたけれども数年前から、腐ってきた床板が何枚もでてきて、都度交換してきたが、それも腐ってきたので、今回は全面取り換え工事を決めたとの事でした。
節周りの腐れ
木材はヒノキです。写真のようにソフトウッド(針葉樹)は腐りやすい部分としては、このように節の周辺からが多く見受けられます。
その理由としましては施工後、節とその周りの収縮率が違うためと、節のワレ、カケですき間が大きくできるので水を溜めやすい構造となるので、どうしてもその部分から腐朽が始まります。
節部が全てこういう状態になるわけではありませんが、死に節ではかなりの割合で腐朽が起こります。
ソフトウッドの中では腐りにくいといわれているサイプレス(オーストラリアひのき)を使用したウッドデッキを当社では10年保証できない理由が、実はここにあります。
お客様の中で、サイプレスをハードウッドと勘違いして質問される方が多いですが、ハードウッド=広葉樹の事で、サイプレスはソフトウッド=針葉樹です。
ハードウッドのデッキ材は全く、節が無いわけではありませんが、非常に少ないです。
ここがハードウッドとソフトウッドの大きな違いで、全てのハードウッドの木質が全て腐りにくい性質をもっている訳ではありません。
これらの木材の比較した資料等はホームページから資料請求するか、お問い合わせください。
いっその事、節が抜けてしまう抜け節になれば、腐朽は起こりにくいのですが、それはそれで穴があき、また問題かもしれませんが・・。
根太を兼ねた幕板の腐朽か所
この施工は大工さんにお願いしたそうですが、使用した木材だけでなく、設計上の問題も見受けられます。
デッキ床板の数割がこの状態です
このようにデッキを使用するのは、かなり危険水域となっていました。
これを解体・撤去して新たに、イペ製のウッドデッキに年内に施工しますので、完了しましたらこのブログで報告させていただきます。