久々にウリンのウッドデッキ~我孫子市~後編

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投稿者:technogreen | カテゴリ:ウッドデッキ用木材について, 一戸建て庭ウッドデッキ | 投稿日:2012年12月1日

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前回の続きで我孫子市でウリンウッドデッキ施工の後編となります。

お客様は今までのウッドデッキのデザインとサイズを変えないで作りたいというご希望でした。特にフェンスは長年、見慣れているのでそのままの形でという事で、使用する材寸法も今までに近い寸法での設計となりました。但し、下部の構造部分は今までの2重構造ではなく、耐久性が高い3重構造での設計です。

また当社以外にも2社のエクステリア工事会社、外構工事会社(どちらも同じか?)からも見積りを取っていたそうですが、どちらもウリンでしか施工できないので、テクノグリーンからはイペとウリンの両方での見積りとなりました。

ウリンはイペよりは木材としての価格は安いので、もちろんウリンのウッドデッキの方が安くなります。最近はウリンも高くなってきてるので、工事共の価格は一時ほどの大きな差はありませんが。

同じ材料を使用しても、構造部分を3重でなく2重で施工したり、撓み量を計算しない構造で施工する、腐りやすい木組みで施工する方が、何割も安く作る事がきます。・・・・・・10年保証できなくなりますが・・・・

お客様は最後に、当社の構造計算をした施工法で「木材はウリンを使用」とご注文いただきました。

それでは施工完了後のウリンのウッドデッキの写真から。

ウリンウッドデッキ全体完成写真

全体完成写真

仕上がりサイズ・フェンスデザインは今までのとほぼ同じです。フェンスデザインはいわゆるV字フェンスです。今までと変わったところはウッドデッキ下。防草シートに砕石を敷いて雑草対策をしています。

V字フェンス

V字フェンス

床板のすき間は5mm

床板のすき間は5mm

イペ材であれば、すき間無し施工も可能ですが、今回はウリンでしたので5mmすき間にて施工。これは湿潤時の膨張率イペ1%以下に対し、ウリンが3%以上ですので、膨張による反りを防ぐためです。

以前、この膨張率を把握していない業者が、隙間なしで施工し床板を反らせて、総取り替えした現場もあったようですが・・・。

ちなみにマンションのベランダと違い、下への塵埃の落下がそう気にならない庭でのウッドデッキは、このすき間有り、無しはお客様の好みで決められたら良いと思います。よく通風を確保するためのすき間という人もいますが、床下の湿気はこの上のすき間から抜けるのはほとんど期待出来ないので、やはり床下の横からの通風で抜ける構造にするべきと経験上考えています。

これで完成引渡しをさせていただいたのですが、数日後の雨が降った翌日にお客様からの電話で伺いますと・・・これ!

ウリンの樹液で汚れた束石

ウリンの樹液で汚れた束石

案の定、樹液で束石が赤くなっていました。

前編の冒頭で「庭用のウッッドデッキしかウリンでは施工しない」という理由はコレだったんです。二階建てウッドデッキでは家の1階部分の壁を、駐車場上のウッドデッキでは土間コンクリートや下に駐めている車をこのように真っ赤に染めてしまいますので、そういう所でのウリン使用は控えています。お客様が「全く気にしない!」という場合を除いては。

今回も、お客様にはイペとウリンを比較検討しているときには、この樹液の話はしつこいくらい話をしたんですが、他社が何も言っていなかったので、あまり気にしていなかったそうです。

「何か対策はありますか?」

「束石だけの汚れなので、あまり目立たないので気にしない事が一番かと。」

・・・・ハイター(塩素系)やサンポール(酸性)の洗剤だと、「落ちます」と書いているところがありますが、土間コンクリートの中の鉄筋や金網に対し塩害や酸化、また家の壁材にどのような二次被害が起きるか判りませんので、当社では薦めていません。

この樹液(ポリフェノール)は水溶性ですので、雨が浸透する部分の樹液が出切るまでの半年から1年くらいまでは、雨の時に出てきます。これに比較してイペの樹液(ラパコール)は非水溶性で雨に抽出されにくい上、色が薄緑であまり目立たないです。

ところで、ウリンはこのポリフェノールが腐朽菌・シロアリに対し効果がある樹液と言われているのですが、確かに樹液が出る前の試験片で実験すると、イペと同じくらいの耐腐朽性を有していますが、残念ながら樹液が出切ってからの試験データは今のところありません。またテクノグリーンで施工したウリンのウッドデッキは古いので9年しか経っていませんので、当社ではウリンウッドデッキの今のところ10年保証は、しておりません。

他にもいろいろと違いはあるのですが、一番大きなところが、この樹液の問題でテクノグリーンではイペを推奨させていただいております。ただ価格の面ではどうしてもイペの方が高くなりますので、最終判断はお客様で!

イペのウッドデッキ資料・写真集・サンプル請求(無料です)、お問い合わせはこちらから。

隣家との目隠しウッドフェンス~松戸市~後編

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投稿者:technogreen | カテゴリ:ウッドデッキ用木材について, ウッドフェンス, 一戸建て庭ウッドデッキ | 投稿日:2012年10月30日

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前回は「ハードウッド」と「ソフトウッド」の呼称という余談で終わってしまいましたので、今回は元の本題「松戸市の隣家との目隠しウッドフェンスとウッドデッキ」に戻りまして施工完了の紹介とさせていただきます。

さっそく施工後の写真から。

最後の床板仕上げ中

最後の床板仕上げ中

高さ1.5mの目隠しウッドフェンスとデッキ

高さ1.5mの目隠しウッドフェンスとデッキ

ウッドフェンスの高さは床から1.5m、板のすき間は5mmにで施工。ここまですれば完璧な目隠しとなります。

目隠しに十分なすき間

目隠しに十分なすき間

デッキより飛び出したウッドフェンス

デッキより飛び出したウッドフェンス

ウッドデッキ端部より約1.6m飛び出してウッドフェンスを張っています。これで隣家の窓全てから目隠しとなりました。

今回のウッドフェンスは高さは地面から2m、延長は7mです。これを独立したウッドフェンスのみで施工しますと転倒防止の為、控え柱が数カ所必要となります。でもウッドデッキと一体化して建てれば、ウッドデッキ本体が控えの役目をしてくれて不要となります。ただし、フェンス用の支柱はウッドデッキと剛接合してフェンス全体に掛かる風荷重を分散するように設計・施工しなければなりませんが。

打ち合わせにお伺いしました時には、まだビニールプールが駐車場の上へ出されていた。今年のシーズンには間に合いませんでしたが、来年のシーズンにはこのウッドデッキ上で思う存分にお子様がプール遊びができる事でしょう!

施工完了後のアンケートでお客様から

「施工も1日で完了し、手際も良く職人皆さん感じの良い方達で良かったです。保証期間も10年間と長めなので、すごく安心しています。ただ金額がサイプレスくらいもう少し安いともっと良かったです・・・・・・」

今回も工場でほとんど製作、仮組みを行ったのを現場組立しましたので、1日で完了できました。現場施工日数を減らすことで少しでもお客様への負担が軽くなればと考えています。

価格はさすがにサイプレス並には・・・・・。それでも木材の㎥あたりの価格は3割以上サイプレスは安いですが、他に使用する副資材(ビスや金物)、施工費用はどちらも同じように掛かりますので、材工共の価格では1割くらいの差となります。

えっ?3割以上が1割?とビックリされるかもしれませんが、実はサイプレスのような針葉樹は木材強度(曲げ強さ・せん断・弾性係数等)をイペのようなハードウッドと比べると、50~70%くらいしかありません。

つまり同じ耐荷重を有するウッドデッキを設計にするにあたり、使用する木材断面を小さくしたり、根太・大引・束間隔を大きくする事により数量を減らす事が可能です。つまり使用する㎥数が減るのです。もちろんしっかりと構造計算をした上での話ですが。

あとは、この価格差とお客様がどんな木材が好みかで決めればよろしいかと・・・・・。あっ、それと10年保証があるかどうかも大事か!

この辺の詳細につきましては、こちらの資料請求からどうぞ。

隣家との目隠しウッドフェンス~松戸市~前編

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投稿者:technogreen | カテゴリ:ウッドデッキ用木材について, 一戸建て庭ウッドデッキ | 投稿日:2012年10月28日

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隣家との目隠しフェンス。当社へお問い合わせいただく中でも、この目隠しフェンスに関する事がけっこう多いですので紹介させていただきます。

今回のお客様もリビングが、庭と境界ブロックを挟んで隣家の勝手口、お風呂窓、台所窓等が、ずら~っと並ぶ配置となっている面に接している状況でした。

この庭にただウッドデッキを作っても、何か落ち着かない!目隠しをしたい・・・・・他のお客様もだいたい同じパーターンのご相談です。

それでは、打ち合わせ・調査時の写真から。

車の後方が庭です

車の後方が庭です

車の後ろ側が庭となっています。向かって左がお客様の家、右側が庭に接している隣家となります。

入り口側から見た庭

入り口側から見た庭

ウッドデッキの出幅は境界ブロックまで、横幅は設置してある物置までがご希望です。そしてウッドデッキの高さは「室内との段差ができるだけ小さくしたい!」とのことで、窓枠下端の仕上げとします。

奥側から見た庭と駐車場

奥側から見た庭と駐車場

入り口の方は家の端部までウッドデッキとし、ウッドフェンスは実際リビングに立っていただき隣家の窓からの視線が気にならなくなる範囲までを目処として長さを決定。

採寸も仕上がり形状・デザインの打ち合わせも終了して、お客様からは使用する木材はハードウッドのイペにて見積りをご要望。

以前にオーストリア・サイプレスにて見積りしていただいてたそうですが、2つサンプルを見比べてイペ材に決定されたようです。価格は若干、高くなってしまいますが・・・・・。

当社でもサイプレスで施工しますとイペより10%以上安くできますが、10年保証はできません。あらかじめ「10年保証無し」を説明させていただき、ご了承いただいた場合にのみサイプレスでの施工をさせていただいています。

それにしても、まだオーストラリア・サイプレスを「ハードウッド」と称して販売している会社があるんですね。その情報を信じていた方が、ホントの事を知るとビックリし、またその会社に対し不信感を抱くようです。・・・・・ウッドデッキ業界?全体の信用を落としそうで、それが怖いです・・・・・

木材の分類呼称ではハードウッド=広葉樹です。サイプレス(ヒノキ)はジャパニーズ・サイプレス(とは一般的には言いませんが、国産ヒノキです)もオーストラリア・サイプレス(豪州ヒノキ)も同じヒノキ科でソフトウッド=針葉樹です。

よくサイプレスを「ハードウッドの中では硬くないほうで加工し易い」という表現が使われていますが、「ソフトウッドの中では硬いほうの木」と言うのが正しいんじゃないかと思ったりもします。

ちなみにハードウッド(広葉樹)=硬木というわけでもありませんので、なおさら話が難しくなっって迷っちゃう訳ですよね。特に私のように横文字が苦手という人には。

今回も横道ヘそれた上、迷い道までいってしまいました。・・・・行数も時間もなくなりましたので、本題の続きは次回で。