横浜の庭用ウッドデッキだと思ってお伺いしたら、車庫上のウッドデッキだった!の施工編です。
調査・採寸後、3m以上ある擁壁間にある下の構造用合板に荷重が掛からないような梁材の選定とその強度を計算し、また新たな防水層を傷つけない取り付け方法を施工に入る職人と協議の上、今までにない方法で施工する事に決定。これからもこういう場面では使えそうなアイデアです。良い勉強となりました。・・・・いつもは使わない「頭」を使ったのでチョット疲れたけど・・・・・
それでは施工完了後の写真を。
車庫上のウッドデキ床
ウッドデッキの床部です。この下がいろいろと工夫された構造となっています。基本的には下の車庫の壁をコンクリート橋脚とみなしたような橋を造る構造です。
ボーダーウッドフェンス
正面から見た横ボーダーフェンスです。
この車庫の2枚のシャッター間と両サイドがコンクリート擁壁で、シャッターの上には天井として合板があるのみです。
フェンス支柱も同じく合板が撓む荷重が掛からないように、設計しています。これは10年程前、池に半分せり出したウッドデッキを作った時の事を思い出し、プランニングしています。もちろん今までのような防水層の上に水がたまる事が無いように、フェンスの取り付けにも工夫を施しました。・・・・なんせ10年保証しなければならないので、いろいろと大変なんです・・・・。
ワンちゃんが出れないすき間で!
今回は横ボーダーフェンスに、デザインを変更しています。以前のクロスフェンスではワンちゃんが飛び出してしまうので、グリーンのネットを取り付けいましたが、これでもう心配無用です。
ブロック上のウッドフェンス
ウッドデッキに連なるブロック上のウッドフェンスも同じデザインで横ボーダーフェンスとしました。
すっきりとした感じになりました。・・・・横ボーダーの幅狭タイプはシャープ感が持ち味です。飽きのこないデザインです。
ブロック上にフェンス支柱を建てるにあたり、既存のフェンスと同じ土台工法は用いていません。何故なら同じ様に腐りやすいから。
水が溜まらない腐りにくい工法で支柱を建てています。そして木材はイペです。腐朽しにくいだけでなく、ウリンやメルバウのように赤い樹液が大量に出る木材は今回のように車庫上デッキやブロック上のフェンスに使用すると、下のコンクリートや建造物を樹液で真っ赤にしてしまいます。
この理由により、下地が土や芝生の庭用ウッドデッキでは使用しても、こういう条件下では、お客様に予めご納得していただかない限り、テクノグリーンでは決してウリンは使用しません。
イペ製のウッドデッキ資料請求はこちら。サンプルも無料で。
横浜市のお客様からサイズを入れた簡単な絵がFAXされてきました。「庭のウッドデッキと外構の木製フェンスが腐ってきているので、それの撤去とイペ材でのウッドデッキとフェンスを見積りしてください」
概算見積もりの後、「注文したいので打ち合わせに来てください」ということでお伺いしてみると。
既存の車庫上デッキ&フェンス
下がコンクリートの車庫(ガレージ2台分)で、家が一段高くなっている敷地に建っている形状です。よく見かける形状です。・・・・が。
腐ってボロボロのウッドデッキ
床板も腐ってボロボロになっているので、簡単にはがせます。そしてデッキ下を触ってみると土でもなければコンクリートでもない!
お客様に建てた時の確認申請図面を見せていただくと無い!庭?のウッドデッキ部分の天井というか蓋が書かれていない~!どうもコンクリート擁壁の天井部分は構造用合板を渡し、その上を塗膜防水してウッドデッキが置かれてる?
ひとつ一つの施工には問題が無い?のかもしれませんが、トータルの設計に問題があるんじゃない?載荷重どころかウッドデッキの自重だけでさえ撓んでいるようです。まったく撓みの構造計算をしていないような・・・・。多分、防水層もやられている予感がして、お客様に「下の車庫、雨漏りしていませんか?」
「はい。雨漏りもしているので、一緒に防水工事もお願いします」・・・・もう乗り掛かった船なので防水工事も引き受けちゃいました。と、言っても防水工事は専門でないと大変な事になるので、旧知の防水材料メーカーに連絡して解体時に現場を見てもらいながら適切な方法を検討することに。
解体中のウッドデッキと既存の下地がこれ。
形をなしていないウッドデッキの根太
解体するときに鋸が必要ありませんでした。手で触るだけでくずれていくような感じです!今まで数十箇所以上解体していますが、こんなのは初めてです。いかに撓みを考慮した設計と施工方法が必要かの見本のようなところでした。
これが欠けていれば、耐腐朽性が高いイペやウリンでも間違いなく腐ります。・・・・「腐らない木材」「一生もの」な~んて言葉もありますが、腐朽試験をやったことがないか、そのデータを見た事すらない人が言ってるんじゃない?
残念ながら「腐りにくい木材」はありますが「腐らない天然の木材」はありません。・・・・・そんな木材があれば100年でも200年でも保証出来ちゃうと思いますが・・・・・・
腐ったウッドフェンス
こちらは擁壁上にあるウッドフェンス。クロスフェンスです。
一見、何ともなさそうに見えますが、こちらも同じく施工法に問題ありと、木材が米栂の為、腐っていました。
さぁ~。これら全部を解体撤去し、防水工事も終わって、ウッドデッキとウッドフェンスの施工完了は次回で!
投稿者:technogreen | カテゴリ:ガレージデッキ(車庫上ウッドデッキ) | 投稿日:2012年5月31日
外階段の付ける場所で困ったまま終了した前回の調査編。
今回は困ったまま始まる施工編です。
普通は採寸した図面にウッドデッキの施工図を落とし込んでいけば、悩みながらも何とかいけるのですが今回は違います。平面上の3難題に加え、高さの問題も3難題。こちらを立てれば、あちらもどころか、そちらもどちらも立たず状況。
施工完了間際に、お客様曰く
「数年前にお向いさんが、アルミ製のカーポートデッキを作ったので、一度見積もりしてもらったんですが、階段を設置するにあたり駐車場の間口幅を狭くするか、家のキャンティデッキの一部を取り壊す案の上、今回のテクノグリーンさんの見積もりより数段と高かったので断念していたんです。だから階段はなんとか昇り降りできれば。」・・・・早く言ってよ!
とは云うものの、乗り掛かった船ですので、「少しでも昇降が楽にできる階段を」ということで、施工責任者と現場を見ながら、考えながら別な角度からも採寸。
これらをクリアする形状のアイデアは施工大将が全部出してくれたので、私は帰ってから構造上の強度チェックだけ。・・・楽チン。
内輪の話はこれくらいにして、施工完了後の写真を。
外階段
これが、その外階段。微妙な位置に微妙な角度で取り付けています。もうこれしかない!という感じです。
正面から見たガレージデッキ
ワゴンタイプの自動車は入れないとのことで、極力高さを低くしています。
柱位置も出来るだけ間口を広くとれるように建ています。
上から見たガレージデッキ
下の勝手口扉部分の納まり
1階の勝手口の扉がぶつかる為、この部分は敷設していないので、落ちないように柵を廻しています。
いつもの柱金物と基礎
ガレージデッキといえ、高さは2m以上になっていますので、恒例のテクノグリーン特注の柱金物を使用。
これを取り付ける為に、既設の駐車場コンクリートを削って、下に強固な基礎を打っています。コストは上がりますが、2階建てウッドバルコニー、駐車場上のウッドデッキの施工の安全性は全てこの柱の建て方に掛かっていると言っても過言ではありません。
ガレージデッキの屋根
施工途中にお客様がガレージデッキができる頃に新車が納入されるので、屋根も欲しい。とのことで追加工事でデッキ下に屋根を取り付け。もちろん樋も付けています。
設計段階で悪戦苦闘しましたが、施工はこれで無事に完了となりました。
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