千葉県流山市にお住まいのお客様から、
「5年前に家を建てた工務店に一緒に作ってもらったウッドデッキの床を踏み抜きました・・・・・・」と、お電話をいただきまして調査へ。
まだ5年しか経っていないので一見は何ともなさそうに見えます。
5年前に工務店からは、「防腐注入材だし、こうして床板のすき間を開けて風通しも良くしているので、後は毎年防腐剤を塗ってやると長持ちします」との説明を受けて防腐塗料を塗っていたそうですが。。。。。。。。
ちょうど5年経った先日、表面は腐っていなかったのに乗ったとたん足を踏み抜いたそうです。・・・・・幸い怪我はなかったそうですが。
防腐注入木材や防腐塗料を塗った木材は、このように表面は腐っていなくても内部から腐ってくるので、なおさら危険!と私は思っています。
お客様はこの事を工務店に話されると、「今度はもっと腐りにくいセランガンバツでお安く作ってあげますよ。」
この言葉を聞いて、ネットでウッドデッキ用の木材をいろいろ調べ、イペ材で実績が多いテクノグリーンにたどり着いたそうです。
この工務店のように、ハードウッドであればどの樹種でも同じように耐久性があり腐らないと思っている会社、大工さんがいるようですが・・・・・・
セランガンバツは、イペと比較して数倍早く腐るという腐朽試験の結果を知らないばかりか、10年以上前に公共事業や商業施設のボードウォークが数年で腐り、取り替えした事例がある事をご存じないのかもしれません。
そんな理由で、ハードウッドをメインとしている当社でも、さすがにセランガンバツでのウッドデッキは施工をしていません。(使用しない理由には、耐久性の問題以外にもありますが)
ハードウッドの違いの説明をお聞きしたお客様は、経年変化したイペのウッドデッキを直接ご覧になりたいと当社の展示場というより”究極のノーメンテナンスウッドデッキ”(なんせ施工10年ほどになりますが、塗装どころか実験の為に一度高圧洗浄しただけで、あとは洗ってもいない)に、ご家族でご来場いただきました。
そのメンテナンスをしていないウッドデッキと床下(水道メーター上を点検口にしてあるので)もご覧いただき、全く腐朽していないのに驚かれ(汚れているのに驚かれたのかも?)、10年保証の裏付けも確認できたイペ材でのウッドデッキに決められました。
それでは、既設ウッドデッキ解体時の写真から、
端の床板1枚を外すと・・・・・・・・白いのが白色腐朽菌。大引きが腐っています。
今までの経験から、だいたい床板で見つかる数倍の量が構造部では腐っているのが経験上判っています。
典型的な防腐注入木材の腐り方。表面数ミリは腐っていませんが、内部はほぼ腐朽完了状態。乗ればいつ踏み抜いてもおかしくない状況です。
初めに載せた写真2枚の状況を毎日眺めていたお客様にとっては、この解体で見た状態は相当ショックだったようです。
・・・・・・他の今までのお客様も同様ですが、特に毎年塗装していた方にとっては。
解体終了後すぐに新たなウッドデッキを施工、その完了写真から。
コーナー部分にあった隅切りを無くし広くしました。
デザイン的にどうしてもというのでなければ、広く使えますし価格的にも面積が大きくなった分、高くなるわけではありません。
使用材料ロスの関係から場合によっては安くなる時もあります。今回はどちらも試算してみましたが同じくらいでした。
和室前に繋がったデッキ。こちらも以前のウッドデッキと形は少々変えています。
現場で発生したイペの端材をご所望でしたので、プレゼント。さっそく地面置いて花置き板に使用しています。
今回は床板で斜めの部分がありましたので、それなりの枚数の端材が出ました。
最後の写真は、ウッドデッキ横にある植栽越しから。
お客様からアンケートで、
「イペの質感、見た目、施工の仕上がりとても満足しています。
5年前の家完成時に知っていたら・・・・・・・と思いました。
大事に長く付き合っていきたいです。ありがとうございました」
家を新築する時って本体の家の方だけでも色々と検討する事が多くて、なかなかウッドデッキの樹種まで気が回りませんよね。
でも今回の取り替え工事で腐朽を心配しての塗装から解放されましたので、安心してウッドデッキライフをお楽しみください。