鉄骨構造の駐車場上ウッドデッキ~川崎市

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投稿者:technogreen | カテゴリ:最近の施工事例, 駐車場上ウッドデッキ | 投稿日:2016年12月10日

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川崎市へお住まいのお客様からお問い合わせをいただきました。

「はじめてご連絡させていただきます。
駐車場上のデッキを検討しており、既に数社にプラン見積もり依頼をしましたが、予算や希望があわずに、計画が中断しております。
添付の図面にて、概算見積もりを作成いただけないでしょうか。
玄関と駐車場に高低差があり、現在カーポートが設置されています。撤去希望です。
・1階リビングからウッドデッキへ出られるようになります。
・道路側の柱梁を鉄骨
・デッキ下に新設屋根を設置
・イペとウリンの2パターンを作成いただけますでしょうか。」

当社でも庭用のウッドデッキではウリンを使用して施工していますが、周辺のコンクリートが露出しているルーフバルコニーや今回のようにウッドデッキ下に車があるような駐車場上ウッドデッキと2階建てウッドデバルコニーでは、樹液で下の物を汚してしまう理由から施工を行っていません。
お客様には、その旨を伝えてイペのみの見積をさせていただきました。

鉄骨とイペの組み合わせ施工が出来ない、イペのみでしか出来ない、条件が合うところは価格が予算を大幅にオーバーと、あきらめていたそうですが、当社の見積もりがご予算に合い採寸・打ち合わせへ。

 

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間口が約5mある縦列駐車場です。
縦列駐車場の場合は途中に柱を建てれないので、この柱間隔に対応する事はイペといえども強度上無理があります。
お客様も、この辺の所を理解していたようで柱・大梁は鉄骨で作り、それ以外は耐久性のある木材と考えていたようです。

お客様のお考えの通り、縦列駐車場の場合は柱・梁は溶融亜鉛メッキの鉄骨、そして木部はイペ。
これがノーメンテで10年保証できる最強の組み合わせです。

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既設アルミのカーポートと擁壁上のアルミフェンスは撤去して庭と駐車場の上をウッドデッキで繋げます。

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タイル張りの庭も掃出し窓と同じ高さのウッドデッキとなり、駐車場上のウッドデッキと一体化します。

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今までの立水栓は、この高さじゃウッドデッキができたら潜ってしまいますので嵩上げし、水受けパンを新設する事に。

お客様との打ち合わせ、採寸も終わり設計へ。

今回は、高さが一番のネックとなりました。
屋根下で車が入れるの高さを確保しなければなりませんし、掃出し窓から出入りする為、庭側の高さにも制限があります。
そこで段差のあるウッドデッキとなるのですが、少しでもこの段差を小さくする為、構造部分(鉄骨の大梁、イペの小梁、根太の高さを極力抑えつつ、なお且つ強度上問題が無いように設計シュミレーションを行って構造材のサイズを決めていきました。
出来上がってしまうと見えなくなっていますが、いつもの構造とは少々変えています。

それでは完成しました写真を。

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柱と大梁は溶融亜鉛メッキの鉄骨。亜鉛メッキ鉄骨は現場で切断・溶接が出来ないので慎重に現場採寸と設計が必要になるので大変ですが、耐久性を考えると亜鉛メッキがお勧めです。
せっかく上の木部に耐久性のあるイペを使っても、下の鉄骨が先に錆びてきたら意味ないですから。

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横から見たところ。デッキ床下には屋根が付いていますが、・・・・・よく見えませんね、見えないように施工していますので。

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駐車場上の部分と庭部分の段差。なんとか20cm強で納めれました。・・・・・・今回設計にあたり一番苦労したところです。

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掃出し窓とウッドデッキの取り合い。室内からスムーズに出入りできる高さになっています。

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上から見たところ。玄関前のタイルポーチからは1段で上がれます。

詳細は下記の写真で。

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下間で幕板をピッタリ張っているのは猫侵入防止の為ではなく、”狸”侵入防止の為です。この近辺では狸が目撃され今までにも庭へ侵入された形跡があるとの理由からでした。

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駐車場の上だけで奥行き3.5m、庭部分が1.8mと合計5.3m奥行きの広いウッドデッキができました。

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嵩上げした既存の立水栓と、新設の水受けパンを付けましてすべて完了。
お客様から翌日メールをいただきました。

「この度はお世話になりました。

昨日17時以降に帰宅した為、職人の方々にお会いすることができませんでしたが、立派なデッキが完成していました。昨日で完成ですよね。

真っ暗&雨だったので、ゆっくり眺めることができず残念でしたが、これからの使い道を考えてわくわくしました。

職人の方々にもよろしくお伝えくださいませ。
取り急ぎ御礼まで、メールにて失礼いたします。」

いろいろな会社に問い合わせをしてみても、満足する提案を得られず一度は断念しかけた駐車場上ウッドデッキ。
ご希望のウッドデッキが完成して良かったですね。これから十二分に活用される場面が目に浮かびます。

 

 

 

人工木のデッキを提案されて~小金井市

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投稿者:technogreen | カテゴリ:ウッドデッキ用木材について, 屋根付きウッドデッキ(サンテラスデッキ), 最近の施工事例 | 投稿日:2016年10月29日

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半年ほど前に小金井市のお客様から、新築予定の家の図面を送付いただきました。

「同じ市内に新築戸建てを建設予定です。

庭にリビングに続くイペかウリン(強度が高いと聞き)でウッドデッキを
作りたいです。
ハウスメーカーはLIXILさんに依頼する形になるそうですが
出来れば本物の木のウッドデッキが理想の為、御社を見つけました。」

前々回のブログでも書きましたが、昔は防腐注入木材のウッドデッキを提供していたハウスメーカーや工務店は、最近腐れによるクレームに懲りたのか、人工木材のウッドデッキを提案するところが増えているようです。
また下請けの外構工事屋さんに一括で丸投げできるので楽なのかもしれません。

「天然木材の住環境は情操教育に効果あり!」という事で保育所・幼稚園だけではなく小学校の校舎でも無垢材が使われ始めているようです。
お子様がいらっしゃるお客様の中でそんな情報をお持ちの方は、ウッドデッキは人工木ではなく天然の木材で!と、要望されます。

私らの年齢になりますと、いまさら情操”教育”といっても手遅れですが、天然木ウッドデッキの上では落ち着くのは確かです。周囲が人工木(プラスチック)やコンクリートの環境下では、なかなか落ち着けません。(人それぞれですが)
そもそも(亻)がに寄り添ってという字になるように、昔から人間は「木」のそばで安らいでいたんだと思います。

話は戻りまして、数か月後にお客様から新築中の家の足場が取れましたとご連絡いただき、建築中の現場へ。

 

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打ち合わせ前のご希望の出幅は2.2m。正確に隣家との境界を測りますと2.4mの出幅デッキが余裕で出来ます。
材料からしますと、2.2mも2.4mも同じ2.4mサイズを使用します。そこで材料費は変わりませんので2.4mで提案させていただきました。

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当初は3面フェンス付のウッドデッキでしたが、屋根も付けたウッドデッキにご希望が変更になっていましたので、どこに屋根用の柱を建てるか、窓位置も正確に採寸。窓の真ん前には柱を建てられませんので。

約2か月後、家の引き渡しが完了しウッドデッキの施工へ。

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 道路側から見たウッドデッキ。横板フェンスの高さは1.5m。すき間は10mm。
これで通行人からの視線は気にならなくなり寛げる空間となりました。

 

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扉を開けた状態。

 

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入口側から奥側を見た画像。

 

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逆に奥から見た入口。横幅も7.2mのありますので広いウッドデッキです。

 

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屋根はポリカの波板。うすいスモークブラウン色。
桟にタープ用のフックも付けましたので、夏場の日差し対策もばっちりです。

 

 

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隣家側へ雨水が落ちないよう、雨樋も付け、雨水桝へ繋げて完了。

初めからウッドデッキ付の戸建住宅を計画されていたお客様は、ご自身も本物の木で造りたいと考えていたようですが、やはり子供を自然の木で出来たウッドデッキで思い切り遊ばせたいと。
でも天然の木は腐りやすいし・・・・・と、悩みながらもネットで当社の10年保証付きウッドデッキを探し当てられたようです。
送付しました資料とイペのサンプルをご覧になり、”これだ”と確信されたそうです。

 

次回はマンションのベランダウッドデッキの紹介です。

 

屋根付2階建ウッドバルコニー~練馬区

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投稿者:technogreen | カテゴリ:ウッドデッキ用木材について, 屋根付きウッドデッキ(サンテラスデッキ), 腐朽ウッドデッキの取り換え工事, 2階建てバルコニーデッキ | 投稿日:2016年4月16日

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昨年の秋に練馬区にお住まいのお客様から「既存2Fデッキ貼り変え。根太に腐食あり。バーゴラ風屋根設置希望。工期と見積を現地調査の上お願いしたいです。」
と、新築時の図面とともにメールをいただきました。

2階建てのウッドバルコニーでも、構造部分がそのまま使えるのなら仮設足場の必要もなく、根太と床板交換だけであれば1階の庭デッキとそう費用はかわりません。
図面からの概算見積もりをさせていただいた後に、現物を調査せていただく事に。

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9年前に家を新築された時に一緒に、このウッドバルコニーも工務店に建てていただいたそうです。
床板はレッドシーダーですが、かなりの部分が腐ってきていて危なくて上に乗れない部分もあります。

 

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こちらは正面下から見たところ。
ん?外側の梁端部にも腐朽が見えるんじゃない?

床板とフェンス横板はレッドシーダーで、構造部分は防腐注入木材のようです。

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なんと、梁が家からと飛び出していて構造上は外壁の内側で家の柱とウッドバルコニーが繋がっている構造です。びっくりです。
ついでに梁表面にも白色腐朽菌が!

 

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こちらは外側の柱。
在来工法の家と同じように布基礎を打って、基礎パッキンの上に土台を取り付けホゾを切って柱を建てています。
表面だけだと腐朽はみられませんが、柱が建っている土台部分をゴムハンマーで叩いてみると、「ボゴッ!」という空洞の音が・・・・・・・明らかにホゾ部分以外とは違う音がします。

 

——–今までにこのブログで何度も書かさせていただきましたが、屋外で風雨に曝されるウッドデッキでの木組み方法で、このホゾ加工は厳禁です。
木材の腐朽メカニズムを熟知しているウッドデッキ専門業者は絶対に行わない方法なのですが——–

 

今回のお客様の家とウッドバルコニーは建築設計士へ依頼して建てられたそうです。
建築設計士の中には信仰に近い防腐注入木材への信頼をお持ちで、屋外での木材使用に関し無頓着な方がいらっしゃるようで・・・・・・・

 

お客様と一緒に、これらの腐った部分を確認し、結局は全面交換工事へと。
お客様も内心では「構造部分も腐っているのでは?」と思っていたようですが、「できれば、そうあってほしくない!」と、願っていたようですが。。。。。

今までの経験からしますと、表面見た目以上に防腐木材は腐っています。いわゆる内部からの腐朽、大きな断面の構造材は表面にしか薬剤が入ってなく内部は無防備です。
その様子は下の解体時の写真で。

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根太はごらんの通り、解体時に何もしないで崩落するほどでした。

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こちらは大梁にほぞ加工されフェンス支柱が差し込まれたほぞ部分。
こちらも何時、倒れてもおかしくないほど腐っていました。

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こちらは梁と柱の接合部分。羽子板ボルトを使用してのジョイントです。
白く見えるのが白色腐朽菌。こうして解体してみると表面以上に内部が腐っているのがお分かりになると思います。・・・・これは防腐注入木材に良く見られる現象です。

それでは解体の後に、梁が家から飛び出していた部分の外壁も塞いだ後に新規のウッドバルコニー施工へと。

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新設しましたウッドバルコニーは家と縁切りしていますので、新たに柱を。

100角のイペの柱と当社オリジナルの溶融亜鉛メッキ製の柱金物。
市販の柱金物に比べ木材への腐朽対策も施された上に頑丈に製作しています。

これでホゾ加工しないで柱を建てられますので腐朽の心配もありません。

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お客様は今回の新設を機会に屋根付きをご要望。
屋根はポリカの波板で色は薄めのスモークブラウン。

フェンスというより壁に近いこちらの高さは2.2m。
真ん中に見える金物はハンモック用の金物。これも新たに加えたアイテム。

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物干し金物は元のを再利用です。
屋根もつきましたので洗濯干しは楽になりますよね。

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外側正面。

幕板から出てきているのは、ウッドデッキ屋根の樋。なるべく目立たないように内側をとおして配管しています。そして家の縦樋へ途中で繋いでいます。

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最後の写真。こちらはウッドバルコニーの下になります。

今までと同様に隣家側はこのように、横板すき間を小さくして壁のような造りとなっています。
このウッドフェンスも含め、全てイペ材で施工しましたので10年保証。今度はご安心してご使用ください。

さて、これで屋根付きの2階建てバルコニーデッキの紹介は終了しますが、最近立て続けに「2階建のウッドデッキや傾斜地のウッドデッキが腐ってきているので見に来て欲しい!」というご要望が多く調査に行くと、どれもが今回と同じく”防腐注入木材”を使用してのウッドデッキです。
10年前頃の施工だから、まだハードウッドが知られていなかったようで、イペ材のサンプルを手にして「こんな木があったんですね!」と驚かれます。

「防腐剤が注入されているので腐りませんと勧められ、安心していたのですが・・・・・」これも、皆様が同じように仰る言葉。
お話を聞いてみると施工されたのは、工務店ではなく外構工事屋さんやウッドデッキ業者だったりして、10年以上前はまだまだ「イペの知名度は低かったな~」と思い出しました。
——-今でもそんなに知名度は高くない?

では、次回はイペ材をご指名で注文いただきました施工例で!